ミャンマーの特定技能外国人の雇用について
「特定技能外国人って?」「ミャンマーの特定技能外国人を雇用するとどんなメリットがあるの?」
この記事では、そんな疑問について解説いたします。
1、特定技能とは
特定技能とは、日本国内で問題となっている深刻な人手不足を改善するために、高い技能を持った外国人を受け入れ、この課題を解決する目的で2019年に導入された制度です。
特定技能には一号と二号があり、一号は「特定産業分野における相当程度の知識又は経験を必要とする技能を持った外国人の在留資格」です。二号は「特定産業分野において、熟練した技能を持った外国人の在留資格」です。こちらは即戦力としての採用が前提となります。
技能実習は習得した技能を母国に移転し、国際貢献をすることが目的ですが、特定技能は人手不足解消のための労働力確保というのが制度導入の目的です。
人材不足が顕著となっている以下の分野で、外国人を雇用することが日本で認められるようになりました。
特定技能一号
①介護
②ビルクリーニング
③素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
④建設
⑤造船・舶用工業
⑥自動車整備
⑦航空
⑧宿泊
⑨農業
⑩漁業
⑪飲食料品製造業
⑫外食業
特定技能二号
①建設業
②造船
③船用工業
2、ミャンマーの基本情報
アジアのラストフロンティアと呼ばれるミャンマー。正式名称はミャンマー連邦共和国。ミャンマーの首都はネーピードー。国土面積は約68万km2で日本の約1.8倍。人口は約5,700万人。人口増加率は0.8%前後。1月4日は独立記念日。
一人あたりのGDPは1,400(米ドル、購買力評価)民族はビルマ族。その他少数民族。言語はビルマ語。識字率は93.1%。日本との時差は-2時間30分。通貨はチャット。気候は熱帯気候。酷暑期は4月から5月下旬。雨季は5月中旬から10月中旬。
乾季は10月下旬から3月。宗教は仏教・キリスト教・イスラム教。天然資源は木材や木材製品、銅、スズ、タングステン、鉄、石油、天然ガス、翡翠や宝石。主要作物はコメ、豆類、ゴマ、果物、野菜など。
世界思いやり指数(World Giving Index)では平均スコアが世界第2位となっており、寄付に関するスコアでは世界第1位を獲得しています。日本からの経済的支援は一兆円以上。ミャンマーで走る車の9割は日本車です。
3、ミャンマーの雇用事情について
ミャンマーは農業大国のため、勉強を重ね有名大学を卒業しても、簡単には一流企業に入り高収入の仕事に就けるわけではありません。2021年にミャンマー国内で勃発したクーデターによりさらに雇用が衰退し、就職先がなくなってしまっているのが現状です。
現在では失業者が160万増加したとの報道があります。都市部ではそこそこの給与水準ですが、田舎の農村部では小売店店員や飲食店店員などの仕事が多く、月給で5,000円ほどしか稼ぐことができません。
さらに近年ではミャンマーの通貨が暴落し、物価が1.5倍に上昇しました。日本の水準と比較すると、給料は日本の10分の1ですが、物価は3分の1程度。つまり、給料に比べて物価が高いと言えます。そんな状況の中、家族を養うために人手不足の日本に仕事を求めてやって来るミャンマー人が急増しています。
ミャンマー国内の超難関大学を卒業したような優秀な学生を、日本の中小企業でも採用できるチャンスであるとも言えます。
4、ミャンマーの特定技能外国人を雇用するメリット
ミャンマー人は優秀な人材ですが、ミャンマーでは地方で就労した場合、わずか5,000円ほどの月給しか稼ぐことができません。母国では好条件での雇用が期待できないため、日本での就労を目指す高いスキルを持った若者が多くいます。
ミャンマー人は勤勉で真面目、犯罪が非常に少ない国としても有名です。国民の9割が仏教徒のため、調和を持った国民性です。「他人のために重労働を行い、徳を積む」という仏教の教えから、人のためになることを積極的に行う習慣があります。日本人ともよく似ており、自己主張が少なく、穏やかで近い価値観を持っているため、日本の職場にもすぐに馴染むことが期待できます。
また、ミャンマーは農業国なので、過酷な肉体労働もこなせる忍耐力のある人材が多くいます。ミャンマーの言語は日本語と文法が似ており、主語・述語の並び順が同じなので、日本語の習得も非常に速い人材が多いです。そして何より親日国であるため、「日本が好き」という人がほとんどのようです。
4、ミャンマーの特定技能外国人の雇用の流れ
日本にいるミャンマー人を採用する場合
日本国内に在留している方を受け入れる場合、日本で雇用契約を締結します。その際は母国語での雇用契約書も併せて作成しておくとトラブル防止になるでしょう。続いてミャンマー大使館にてパスポートの更新を行います。そして出入国在留管理局で特定技能の在留資格変更許可を申請します。
ミャンマーにいる外国人を採用する場合
現地にいる外国人を雇用する場合は、ミャンマーから認定を受けた現地の送出機関を通じて、採用活動から雇用契約までを行わなくてはいけません。受け入れ企業は、送出機関との連携のもと、雇用契約を締結し、その後、出入国在留管理局在留に在留資格認定証明書の交付申請を行います。
その後、現地にてMOLIPOPICの申請を行ってください。最後に在留資格認定証明書をミャンマー日本国大使館に査証発給申請を行いましょう。審査が降りれば、在留資格が付与されます。
5、ミャンマー人雇用の助成金について
雇用調整助成金
ミャンマー人の外国人材を雇用する際に、雇用調整助成金が活用できます。雇用調整助成金とは、不測の事態により事業活動の縮小を余儀なくされ、売上が下がった場合などに、従業員の雇用の維持を目的として休業補償などの助成金が国から支給されます。
直近では、新型コロナウイルスの影響により売上が低迷した事業者のための特別措置が講じられています。支給までの流れとしては、休業等計画・労使協定→休業などの実施→支給申請→労働局の審査→支給決定となります。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者の従業員の方に向けた、正社員へのキャリアアップ(登用)や福利厚生の充実を目的とした助成金です。
支給までの流れとしては、(正社員への登用の場合)キャリアアップ計画の作成・提出→就業規則などの改定→就業規則などに基づく正社員への転換→転換後6ヶ月の賃金の支払い→支給申請→支給決定となります。
まとめ
今回の記事では、ミャンマーの特定技能外国人の雇用についてご紹介しました。外国人材は勤勉・真面目で向上意欲の高い優秀な人材です。東京で外国人雇用をお考えの企業様はぜひ採用を視野に入れてみてはいかがでしょうか?弊社では外国人材に精通した専門のコーディネーターが、採用に関するすべてのお悩みをトータルサポート。御社の人材課題を解決します。
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