まずは求職者が就労ビザを取得可能かどうかの調査を実施します。なぜ面接をする前に就労ビザ取得の見込みを確認するのかと言うと、面接して内定となっても、就労ビザが取得出来なければ、日本で就労することが出来ないためです。つまり無駄な時間と労力になってしまう恐れがあります。採用面接では、外国人求職者の面接を始める前に学歴や職歴を見て、ビザが取れそうかどうかを確認しておきましょう。

ビザ取得の条件としては、外国人求職者が卒業した大学や専門学校での専攻内容の職種での採用である事、その職種を担当させる前提での採用か？これらがポイントとなります。日本国内においては、専門性のない外国人の就労は認められていません。また、高卒の求職者については上記の条件を満たすことができませんが、10年以上の実務経験があれば、技術・人文知識・国際業務ビザの条件をクリアできます。さらに、通訳や語学講師の場合は3年以上の実務経験があればOKです。

この条件に合致しているかどうかが入国管理局で審査されます。外国人求職者の卒業証明書や成績証明書、雇用契約書や採用理由書の提出が必要です。他にチェックする項目として、学歴や職歴のほかに「在留カード」の確認が必要です。確認する項目としては、「在留資格の種類」裏面に就労不可と記載がある場合は採用できません。「在留期間の満了日」過ぎている場合はオーバーステイとなり、就労できません。「資格外活動許可の有無」就労時間の記載がある場合は、その時間内で働くことが可能です。

ただし、「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ場合、「永住者、または永住者の配偶者等」「定住者」これらに該当する人達は、技術・人文知識・国際業務ビザを取得する必要がない場合があります。

面接が終わり、採用となった場合、雇用契約書を作成します。雇用契約書は、就労ビザ申請の前に作成しておく必要があります。作成方法は一般的な雇用契約書と同様です。ただし、必要に応じて母国語の雇用契約書も用意しましょう。雇用契約書には二つの役割があります。一つは就労ビザ(在留資格)の申請の際に必要書類となること、もうひとつは外国人労働者との雇用トラブルを回避するためです。

また、「停止条件」に在留資格が交付されなかった場合のことを記載があるといいでしょう。停止条件は「在留資格認定証明書が交付され次第、雇用契約が有効となる」といった記載です。「労働条件通知書」は双方が合意した内容を示すものではないため、雇用契約書と併せて作成するのがベストでしょう。

就労ビザの申請手続きをします。会社の所在地管轄の入国管理局に申請しましょう。母国で働いている外国人求職者や母国の大学を卒業する外国人求職者を現地で採用し、日本で雇用する場合は、雇用する企業が「在留資格認定証明書」を日本で申請し、発行されたらそれを求職者に送付します。その後、本人が母国の日本大使館に就労ビザを申請すればＯＫです。

なお、就労ビザの申請は一ヶ月～三ヶ月ほどかかるため注意してください。4月入社で考えた場合、1月から3月は申請が非常に混雑します。12月には申請しておくのが良いでしょう。審査には時間がかかるため、在留資格変更許可申請は1月末までと考えてください。

入国管理局による審査が行われます。出入国在留管理局では、本人のビザ取得要件の審査のほかに、会社などの受け入れ機関の審査も同時に行われることがほとんどです。当然ですが審査が通らないこともあります。審査内容は前述した外国人求職者が卒業した大学や専門学校での専攻内容の職種での採用である事、その職種を担当させる前提での採用か？これらがポイントとなります。

また、前科の有無、勤務する会社の財務状況、外国人求職者の給与は適正か、外国人が安心して継続的に就労できる環境か？なども審査対象となります。審査に要する期間については1ヶ月～3ヶ月ですが、追加で資料の提出が必要な場合などは、審査期間がさらに長くなります。

就労ビザを取得し、雇用開始です。基本的な就業規則や社会保険などは日本人の社員と共通ですが、いくつか異なる点もあります。まずは外国人を雇用したらハローワークに届出が必要です。その際、雇用保険の手続きを兼ねることが出来ます。就業開始後、企業は在留カードの期限のチェックや、外国人が許可された範囲以上の業務を行わないように監督する義務があります。日本人の従業員と同様に労務管理は徹底して行うようにしましょう。